日進餅つき踊り

毎年1月1日の0時に行われる伝統芸能「日進餅つき踊り」。地元地域情報サイト「最新!NISSIN」の特設ページです。

次回の日進餅つき踊り披露

2024年の餅つき踊りは無事実施されました!残念ながら振る舞い餅の配付はありませんでした。

開催日毎年1月1日
開催時間0時~(30分程度)
会場日進神社
主催日進餅つき踊り保存会
HP・SNSなし
アクセスJR川越線日進駅を下車し、南口を七夕通りに沿って南下、イナリヤ青果や神田精肉店のある交差点を右折し突き当り

日進餅つき踊りについて

▲2019年の様子

「日進餅つき踊り」は日進地区に伝わる伝統芸能で、さいたま市指定の無形民俗文化財です。

「接待餅」とも呼ばれる餅つき踊りの起源はなんと江戸時代までさかのぼります。当時、中山道の伝馬役(物資や人の移動のために置かれた役職)だった若者たちが、街道を通行する大名や武士が宿泊する宿で接待と旅の慰安を兼ねて行われたのがはじまりとされています。その後は芸能化し、村内の祝い事でも行われたということです。

しかし、1931年(昭和6年)の満州事変勃発とともに餅つき踊りは中止になり、その後20年ほど行われていませんでした。戦後の1951年(昭和26年)にようやく再開すると、その後は「日進餅つき踊り保存会」がその伝統を守り続けています。日進神社で新年の初めに行うことになったのも戦後に復活してからのことです。

▲保存会の皆さん(2019年)

現在は、毎年1月1日の0時0分、つまり日付が変わる瞬間に餅つき踊りが行われており、そこで搗いた餅を食べると1年中健康でいられ、2年長生きするといわれています。近年ではきなこの味付けがされていることが多いですね!

ところで、餅つき踊りにもいくつか種類があるのをご存じですか?

日付が変わると、まずふかしたもち米を掲げた人を先頭に、杵(きね)を持った人が木やり歌を歌いながら入場します。音頭に合わせてもち米を練ったら、いよいよ実際に餅を搗く「しんしょう搗き(真鉦搗き)」が始まります。これは4人1組となり、リズミカルに餅を搗くもので、スピードに乗って餅を搗く様子はかなり見ごたえがあります。ちなみに、しんしょう搗きではこども餅つき踊りも行われます!

▲こども餅つき踊り・しんしょう搗き(2019年)

しんしょう搗きが終わると、今度は空の臼(うす)を搗く「曲搗き」が始まります。曲搗きは3種類あり、それぞれが題材に合わせた踊りを披露します。「豊穣」「瑞祥」「感謝(平和)」という踊りがあり、「豊穣」は農村の暮らし(種まきから刈り入れの流れ)を、「瑞祥」は北海道のタンチョウヅルを、「感謝(平和)」は世界平和への願いを、それぞれ表現しています。ちなみに「感謝(平和)」は、昔は「大勝利」といい、本来は日露戦争での勝利を祝った歌だったそうです。

▲曲搗きの様子(2019年)

会場となる日進神社には、深夜にもかかわらず例年1000人近い人が見物や初詣に訪れます。地元の貴重な文化を一度見てみてはいかがでしょうか。

過去の日進餅つき踊り

2020年の動画です!

(参考)大宮市発行「大宮をあるく」シリーズ