【本記事は2024年10月に行われる衆議院選挙の候補者を1人ずつ取り上げるものです。当サイトは特定の政党を支援することはありません。取材の都合上、取り上げる順番は届け出順と異なります。】
この日、拡声器が使えるようになる朝8時まではビラ配りをしていたえだの候補。党代表を務めたことのある実力者として、地元での演説と他候補の応援演説の両方を過密なスケジュールでこなします。
前回の衆院選では自民党の牧原候補に僅差まで詰められ、日付が回るまで当選が確実になりませんでした。今回の選挙では地元に戻る日数を増やし、地域住民への浸透を図ります。
2024年10月27日(日)に投開票が予定されている第50回衆議院議員総選挙。従来同様、地区ごとに1人を選出する「小選挙区選挙」と、全国を11ブロックに分けて党名で投票する「比例代表選挙」の併用方式です。
さいたま市大宮区・中央区・北区・西区の選挙区は埼玉5区。1票の格差を是正するための「10増10減」で、従来一部が5区に含まれていたさいたま市見沼区は埼玉1区に編入されています。
今回は届け出順に自由民主党の牧原ひでき候補、れいわ新選組の辻村ちひろ候補、立憲民主党のえだの幸男候補、日本共産党の山本ゆう子候補の4人が立候補しています。
えだの幸男候補は立憲民主党所属の60歳前職で、栃木県出身です。1993年に日本新党公認で旧埼玉5区から衆院選に立候補し初当選して以来、10回の当選を重ねています。
旧民主党が総選挙で躍進し、政権を担っていた最中の2011年には官房長官に就任。任期中に発生した東日本大震災の対応にあたりました。
2017年に成立した旧立憲民主党では代表に就任。その後、旧党の流れを汲む新立憲民主党の代表も2021年まで務めました。
えだの候補は「時代の先頭に立つ」「ブレることなく前へ!」のキャッチコピーのもと、教育や研究開発分野への投資や、国民所得の底上げを政策として掲げています。
そのほかに、社会保障の充実や、災害時に機能する政府の構築も進めたいとしています。
10月23日(水)に西大宮駅で行った演説では、「デフレ対策ではなく、物価を下げること、円安を止めることが重要です。今の政府は円安を是正する考えを示していません。アベノミクスの結果として、株価は上がりましたが、円安につながっています。」と、自民党政権の政策を批判しつつ円安の是正に力を入れる意向を示しました。
また、「賃上げを進めていきます。トラックやバスのドライバーは人手不足が深刻です。公共サービスの維持のためにも賃金が上がるような補助支援を、場合によってはしていきます。」と、近年の交通業界の人手不足に触れて賃上げを訴えました。
えだの候補は週末に北海道に応援演説に行くなど、他候補の支援にも力を入れており、埼玉には不在の日も多くありました。
えだの候補が不在の日は、同じ立憲民主党の永井里菜さいたま市議や相川綾香さいたま市議などが選挙カーで選挙区内を回っています。
選挙戦中は選挙区内にいる日と応援演説をする日を同程度で振り分けているえだの候補ですが、任期中の政治活動は以前よりも増やしています。
2021年の衆院選でいわゆる「野党共闘」を掲げ、えだの候補には日本共産党支持者の票も多く入りましたが、自民党の牧原候補に僅差まで詰められる事態となりました。党代表を務めていて多忙だったことで、地域にはあまり顔を見せていなかったことが苦戦した一因にあるとみられています。
そうしたこともあり、2021年の当選後は週に1回以上のペースで駅頭に立ってきたえだの候補。共産党が対立候補を立て、共産党票を得られないなかで、どこまで牧原候補を引き離せるかに注目が集まります。
衆議院選挙は10月27日(日)投開票で、期日前投票も出来ます。詳しくは選挙管理委員会のホームページなどをご参照ください。