「さいたまPUSH」始動 大宮図書館でAEDや心肺蘇生法学ぶ講習会

さいたま市大宮区の大宮図書館で2022年7月18日にAEDの使用方法や胸骨圧迫などの心肺蘇生法について学ぶ講習会が行われました。講習会は「さいたまPUSH」の主催によるもので、同団体の主催としては県内2回目、さいたま市内では初めての講習会となりました。この講習会は全国で行われている「PUSHプロジェクト」の一環で、学校の授業と同じ45分程度で学べるのが特徴となっています。

参加者は小学生や親子連れが多く、中には高校生や大人の方も見られました。参加者は「あっぱくんライト」と呼ばれる教材を用い、救命の重要性や方法を学びました。

さいたま市では2011年秋に当時さいたま市立日進小学校の6年生だった桐田明日香さんが駅伝練習中の事故で亡くなっており、その教訓を生かして2012年にマニュアル「ASUKAモデル」がさいたま市教育委員会の主導で完成しました。このマニュアルは全国の教育現場などで使われており、救命例も多くあります。講習会にはさいたま市教育委員会の細田眞由美教育長のほか、明日香さんの母親である桐田寿子さんも参加し、あいさつをしました。

人が倒れたとき、心肺蘇生法やAEDを使用することで救命率が大幅に上がると話すのは講師を務めた東京慈恵会医科大学の佐藤浩之助教。突然の心停止に陥った場合、救命率は数%ととても低く、毎年約7万人が突然死していることをクイズ形式で紹介すると参加者からは驚きの声が上がりました。

実際の教材を用いた実習もアニメの説明を見ながら行われ、参加者は人が倒れてから救急車・応援を呼び、胸骨圧迫・AEDの電気ショックを行う一連の流れを実演しました。胸骨圧迫は胸骨の下半分が5cm沈む程度、1分間に100回から120回のペースで「強く・早く・絶え間なく」行うのが望ましいとされています。

この日は午後も認定インストラクターの髙橋真一さんによって講習が行われ、参加者は真剣に講習を受けていました。

参加者は体験を終えてこう話しました。

「楽しかったけど難しかった。結構力がいる。」

「(胸骨圧迫を)続けてやるのが大変なので他の人と協力して行うのが大事」

「AEDを押すのが固くて大変だったのと、呼びかけるのに勇気がいるのだと思った」

「私は何回かやっていたので大丈夫でしたが、腕が痛い」

▲桐田寿子さん

講習会後、桐田寿子さんは「救える命を救うことは、その人を大切に思う人の心も救うことになるので、まさかの時は勇気をもって命のバトンをつなげる人になっていただけたら」と話しました。

講習会は今後も行っていく予定だということです。

▼動画も併せてごらんください
「さいたまPUSH」始動 大宮図書館でAEDや心肺蘇生法学ぶ講習会(YouTube)

▼紹介した団体のホームページ
さいたまPUSH (vital-net.or.jp)