さいたま市議選投開票 北区では共産の議席を事実上維新が奪う形に

任期満了に伴うさいたま市議会議員選挙は2023年4月9日(日)に投開票が行われ、北区では7人が当選しました。

北区選挙区は定数の7人に対し、現職4人に新人8人を加えた12人が立候補し大激戦となりました。開票の結果、2位と大差をつけて無所属の吉田一郎候補が当選。以下、自民の伊藤仕候補、公明の関ひろみ候補、自民の川崎照正候補、立憲の相川綾香候補、維新の堀川友良候補、立憲の永井里菜候補が当選しました。共産の神田真一候補は落選し、党が持っていた1議席を事実上維新に奪われる形となりました。

2位と2倍近い差をつけてトップ当選したのは無所属現職の吉田一郎候補。自身の辞職による補欠選挙での当選を含めると、今回で6回目の当選となります。

吉田候補は「このままでは大宮が危ない」をスローガンに浦和優先の市政を批判。定期的に発行される市政レポートや、政務活動費を受け取らない取り組みが大宮住民の支持を得ての当選です。

2番目に多い7333票を得て当選したのは自民党の伊藤仕(まなぶ)候補。40歳の現職で4回目の当選です。

伊藤候補は東宮原ぼうさい広場の整備のほか、ニューシャトル各駅へのトイレ設置やさいたま北部医療センターへのアクセス向上など、今までの実績をアピールして支持を得ました。選挙戦では運動員とともに赤い自転車、赤いヘルメットで区内を回りました。

続けて当選したのは公明党の関ひろみ候補。現職で今回で2回目の当選となります。

防犯カメラの設置やさいたま市防災アプリの導入など、安全面での実績をアピールし支持を得ました。そのほか、学校体育館へのエアコン設置推進などの実績もアピールしています。

3545票を得て当選したのが自民党の川崎照正候補。現職で2回目の当選です。

川崎候補は日進町3丁目を拠点とする市議で、選挙では経済・雇用対策や災害に強いまちづくりを推進することを強調していました。当選後の取材に対しては、「今回の選挙は大変厳しい選挙でした。地域に根差した安心安全なまちづくりをするということで、ご理解いただけたと思います。今後とも頑張ってまいります。」とコメントしました。

川崎候補と1票差、3544票を得て当選したのは立憲民主党の相川綾香候補。今期は立候補しなかった傳田ひろみ元市議に代わり新人として立候補しました。

相川候補は事務所を日進町2丁目に置いていて、現在子育て中であることを生かし、子ども政策の充実を訴えて支持を得ました。当選後の取材には「ここからがスタートだと思うので、投票してくださった方を含め、さいたま市全体の課題なども責任をもって仕事をしていきたいです。緊張していますが、やる気はあるのでわくわくしています。」と話しました。

日本維新の会の堀川友良候補は最年少の25歳新人。堀川候補らの当選により、日本維新の会は初めて市議会に議席を得ました。

堀川候補は街頭演説で、「年齢の高い方だからこそできることがある。若い人だからこそできることもある。力を合わせてよりよい市政にしよう」と訴えました。また、25歳と最年少であることもアピールし、今回の当選となりました。

最後の1枠を勝ち取ったのは立憲民主党の永井里菜候補。30歳の新人で、県議選に立候補した小川寿士元市議に代わり立候補しました。

永井候補は「ミスFLASH2013」のグランプリになったこともあるグラビアアイドルで、今回はグラビアアイドルを引退しての立候補でした。また、自身が母子家庭で育ったことを踏まえ、福祉や保育、医療の充実などを訴えました。

ここまで7人が当選し、議席がすべて確定しました。以下、当選には至らなかった候補を紹介します。

新たに発足した地域政党「さいたま未来プロジェクト」の新人、片倉淳平候補はさいたま市役所を辞めての立候補。市役所での経験を生かせるとアピールしましたが、惜しくも当選とはなりませんでした。開票後の取材では「自分らしさを出せば伝わる、思いがあれば届くと思っていましたが、結果を見て、自分の何かが足りなかったとはっきりわかったのは一つ大きな気づきでした。支援してくださった方には申し訳ない気持ちでいっぱいです。」と話しました。

日本共産党の神田真一候補は、父である神田義行元市議に代わり立候補した新人で、平和の重要さや軍拡の反対などを訴えましたが、当選には至りませんでした。

参政党新人の池田誠候補は、自身がADHD(注意欠陥多動性障害)と診断されていることや、放課後等デイサービスを運営している実績などから、給食費の無償化やオーガニック給食の導入、不登校特例校の設置など子育て関連の政策を重視していましたが、当選には至りませんでした。

服部光紀候補は無所属の新人で、「はっとりはりきゅう接骨院」を開院した実績などから高校生までの医療費無償化等を訴えましたが、当選には至りませんでした。選挙活動では、子育て世代に配慮し、12時から14時30分までは拡声器を控えめにするなどしていました。

無所属新人の茅野昌文候補は脱政党政治を掲げ、自民党への批判を展開しました。介護保険料の一律半額化や、北区内の放課後児童クラブの倍増など、12の政策を掲げましたが、当選には至りませんでした。

北区ではこのほか、埼玉県議会議員選挙も行われましたが、定数の2人に対し同数の立候補だったため、自民党現職の関根信明候補と立憲民主党新人の小川寿士候補が無投票当選しました。

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