2023年9月30日(土)、さいたま市北区櫛引町2丁目のさいたま市立日進中学校でAEDと屋外型AED収納ボックスそれぞれ58台の贈呈式が行われ、清水勇人市長や竹居秀子教育長らが出席しました。
AEDを寄贈したのはさいたま市西区の酒造会社、株式会社小山本家酒造と株式会社世界鷹小山家グループで、同社の創業215周年を記念し2000万円相当のAEDなどが寄贈されました。
寄贈されたAEDは校門などに設置され24時間誰でも使えるようになる予定で、小山本家酒造の小山景市会長(86)は「中学校の皆さんはもちろん、地域の皆さんにも緊急の時に活用いただければいいなと思っています。」と話しました。
さいたま市では2011年に、当時日進小学校の6年生だった桐田明日香さんが駅伝練習中に倒れ、翌日亡くなるという事故が発生しており、明日香さんが亡くなって1年となる2012年9月30日(日)には「ASUKAモデル」と呼ばれる研修用テキストを作成するなど、救命教育に力を入れてきました。2022年9月30日(金)に行われた「ASUKAモデルフォーラム」では市内の高校生が24時間使えるAEDについて取り上げたほか、今年6月の定例市議会では浦和区の池田めぐみ市議(日本共産党)が24時間使えるAEDについて質問するなど、注目が高まっていました。
贈呈式には桐田明日香さんの母、桐田寿子さんや2人の弟も出席していて、このうち弟の桐田真さん(17)は「ASUKAモデルが生まれたまちで24時間使えるAEDが増えるのは本当にありがたいことだし、これで救命率がさらに増えると考えるとすごくありがたい取り組みだと思っています。」と話しました。
今回の会場となった日進中学校の井口泰平生徒会長は「私が日進小の頃から明日香さんの話は聞いていました。明日香さんが通うはずだった日進中がある日進という地で、明日香さんの命や思いを日進中生として日進だけでなく全校に広めていきたいです。今後同じことが起こらないように救命について学んでいきたいと思います。」と話しました。
AEDは設置場所の調査などを経て、早ければ10月から設置され、年度内には市内の全市立中学校58校に設置が完了する予定だということです。